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2017年8月19日 (土)

ヴィクター・サヴィル『間諜』(一九三七年 イギリス)

ヴィクター・サヴィル『間諜』(一九三七年 イギリス)
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監督 ヴィクター・サヴィル
出演 ヴィヴィアン・リー  コンラート・ファイト
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 昭和十二年、今から八十年前の英国製間諜映画。
 自称スイス人のマドレーヌ(ヴィヴィアン・リー)は、スウェーデンのストックホルムで高級な洋服店をひらいていた。時どきパリへゆき、服を仕入れてくる。マドレーヌは若くて美人でやり手、ドイツ人のマルイッツ男爵に口説かれている。マドレーヌの洋服店経営は世を忍ぶ仮の姿で、実はドイツの間諜をしていていた。パリで仕入れてきたドレスに、連合軍の情報を刺繍して、ストックホルムに持ちこんでいたのだ。ドレスをランプシェードに重ねると、地図と軍事情報が浮かびあがってくる。
 しかし、自称スイス人のマドレーヌはドイツの間諜をしているものの、本当はフランス人でフランスの間諜だった。二重間諜。本当らしい偽の情報をドイツに流して、ドイツ軍を混乱させていた。
 ドイツ諜報部はマドレーヌからの誤情報による軍事的被害から、パリへ行き、情報源を調査するようにと命じる。マドレーヌはフランスに入国すると逮捕という形で保護され、フランスの諜報本部長から、ストックホルムへ戻って、ドイツの第八諜報部長が誰であるか調べることを命じられた。
 ストックホルムにもどったあと、物語の動きが激しくなる。イギリス諜報部員から、ドイツの第八諜報部長がマドレーヌの恋人のようになっていたマルイッツ男爵であることがつたえられ、ドイツ諜報部が策をめぐらして二重間諜のマドレーヌを捕えようとすると、イギリス諜報部はスウェーデンの警察本部を動かしてマドレーヌを逮捕という形で保護、中立のスウェーデン船で護送することになった。
 ドイツの第八諜報部長マルイッツ男爵は潜水艦を使い、スウェーデン船を停船させ、マドレーヌを捕獲。しかし、直後にイギリスの戦闘船が登場してドイツの潜水艦を沈め、マドレーヌを保護、マルイッツ男爵を逮捕する。
 
 この映画は、間諜映画としてのできは高いものの、フランス諜報員マドレーヌ(ヴィヴィアン・リー)とドイツ諜報員マルイッツ男爵(コンラート・ファイト)の恋愛を織りこんでいるので、展開にむりがある。むりやり恋愛をねじ込んだという風。軽薄で女好きで散財してお金で女性を口説く中年貴族に、しっかりとした若いマドレーヌが惹かれるという設定が納得できない、蓼食う虫も好き好きとはいえ。
 この映画は、ヴィヴィアン・リーが代表作『風と共に去りぬ』に出るより以前の作品で、往時は、ローレンス・オリヴィエとの「大ロマンス」中だった。既婚者同士の恋愛なので、わるい言葉にかえれば、四角関係の情痴の縺れ、ともなる。マルイッツ男爵にローレンス・オリヴィエを重ねる見方がよくないのかもしれない。

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